ガートナーのハイプ・サイクル:生成AIは「過度な期待のピーク期」

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ガートナーのハイプ・サイクルという概念を目にし、現在の生成AIを取り巻く環境を理解する一助になるかと思いましたので記事します。

ガートナー社は1979年設立、IT分野での調査や助言を行う会社です。NYSEにも上場しており、S&P500採用企業でもあります。米国四季報によると、90の国・地域で1万5000人超の顧客を抱え、リサーチ事業が売上の84%のようです。売上・利益も毎年伸びています。

株価も上昇していますね。

ハイプ・サイクルのイメージ

ガートナーはハイプ・サイクル(Hype Cycle)という概念を考案し、毎年レポートを出しています。このモデルを用いて、技術がどのように進展し、社会やビジネスに取り入れられていくかを視覚的に示し、分析を行っています。
こちらがハイプ・サイクルのイメージ。


黎明期: 潜在的技術革新によって幕が開きます。初期の概念実証 (POC) にまつわる話やメディア報道によって、大きな注目が集まります。多くの場合、使用可能な製品は存在せず、実用化の可能性は証明されていません。
「過度な期待」のピーク期: 初期の宣伝では、数多くのサクセスストーリーが紹介されますが、失敗を伴うものも少なくありません。行動を起こす企業もありますが、多くはありません。
幻滅期: 実験や実装で成果が出ないため、関心は薄れます。テクノロジの創造者らは再編されるか失敗します。生き残ったプロバイダーが早期採用者の満足のいくように自社製品を改善した場合に限り、投資は継続します。
啓発期:テクノロジが企業にどのようなメリットをもたらすのかを示す具体的な事例が増え始め、理解が広まります。第2世代と第3世代の製品が、テクノロジ・プロバイダーから登場します。パイロットに資金提供する企業が増えます。ただし、保守的な企業は慎重なままです。
生産性の安定期: 主流採用が始まります。プロバイダーの実行存続性を評価する基準がより明確に定義されます。テクノロジの適用可能な範囲と関連性が広がり、投資は確実に回収されつつあります。

出所:ガートナー社

生成AIは「過度な期待」のピーク期に位置付けられる

現在の市場をリードしている生成AIについてはどうでしょうか。

詳しいレポートは顧客でないと見れないようになっていますが、今年のレポートでは生成AIは「過度な期待のピーク期」に位置付けられているようです。

ハイプ・サイクルはまれな現象、と言うが

ではこれから幻滅期に入るのか…!?と思いますが、こちらの日経ビジネスの記事「幻滅を経験した技術の6割は復活していない AIも同じ道をたどるのか」によれば、「ハイプ・サイクルは実はまれな現象」だそうです。

それで判明したのは、ハイプ・サイクルは実はまれな現象であるということだ。革新的技術が発展した経過をたどると、技術の創生から期待、落胆を経て広範な普及に移行する例は、ごく一部(5分の1程度)に過ぎない。多くの技術は、このような浮き沈みを経験することなく広く利用されるようになる。

ハイプ・サイクルに入る事例は全体の1/5だそうです。残りはスムーズに広く利用されるようになる、と。一方で、こんな分析もされています。

 また、ブームが去って落ち込んだまま復活しない技術もある。今回の推計では、人気が衰退して幻滅期を経験した技術のうち、10件に6件はまだ復活していない。

文脈からすると、ハイプ・サイクルに入った1/5の技術のほうは、6/10の割合で復活していない、そう。

私は個人的には、生成AIは今回の社会的な注目や株価の動きを見るとハイプ・サイクルに入る1/5の方ではないかと思いますが、一旦幻滅期(程度は分かりませんが)を経て復活してくるのではないかな…と感じてます。

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MISA

MISA

第1子出産後、保育園に入れなかったため2011年から投資を開始。3児の母でワンオペ育児中。FXからスタートし徐々に時間を使わずにお金を生んでくれる資産の構築にシフト。インデックス投資、太陽光発電、海外不動産、国内不動産、個別債券、海外保険、FX。マイクロ法人運営。
保有資格:証券外務員1種、米国証券外務員、AFP、宅地建物取引士

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