再度思い出したい。株価暴落はいつも利下げの後

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今回の株価下落トレンドは終わったのか

先週、S&P500は円建てで最高値を更新しました。ドル建てではまだ高値と安値の中間くらいですが、円安が効いています。

S&P500円建てチャート

円建てでは史上最高値を更新。

S&P500ドル建てチャート

ドル建てではまだ高値と安値の半分程度の位置まで回復。

3月のSVB破綻のニュースも一時は金融危機が来るのか!?と緊張感が走りましたが、その後の他の米国金融機関の破綻やクレディスイスの買収もこなして上昇してきています。

最近は株式市場では楽観ムードが漂っています。
もしかすると2021年12月を高値とした今回の下落はもう終了で、このまま上昇を続けていくかも!?と思ってしまうところです。
気づけば前回高値から下落を初めてもう1年半経とうとしています。

経験則では「暴落は利下げの後」にやってくる

そこで再度思い出したいのがこちらのチャート。FEDの利上げと株価の関係を説明したものです。
キーメッセージは、「株価の暴落はFEDの利下げの後に起こっている」ということ。
前ではありません。

過去の大きな下落相場と利上げの関係を個別に見ていくと、利上げの最中には株価は上昇し、それが利下げに転じてから(FED pivot)30%~50%の大きめの下落が起こっているというケースがほとんどです。

出所:reddit

一般的には

利上げによって景気減速→リセッション→企業業績悪化(EPS下落)→株価下落

という流れなので、企業業績の悪化が起こったからpivotに転じると言った方が正しいかもしれません。
もしかするとマイルドリセッションで終わるのかもしれませんが、今回の利上げが過去と比較しても急ピッチなのは確かなので、これだけ急激に引き締めて本当に危機的なものが起こらないのかという違和感はあり、もう少し様子を見たいところ。

利上げの最中に株価が下げた1970年のケースでもボトムは利下げ後

今回は利上げの最中に株価が下げている珍しいケースです。
1960年以降、ほとんどのケースで利上げ最中には株価は上昇しているのですが、今回のような例外もあります。

1973年~1974年にかけてのケースです。

この時期は1973年に一旦利下げに転じたものの、再度利上げに転じ、ピーク時は10.5%。現在と同じように、利上げの最中に株が下落していました。しかしFEDが1974年7月に利下げに転じた後もさらに下落しており、結局ボトムをつけたのは本格的な利下げ後。

1974年7月の2度目のFF金利ピークから1974年9月の株価ボトムまでで83.66ドルから62.34ドルまで約25%下落しています。

一方で1994年のパターンならさっさと買った方が良い

もう一つ気になるのが1994年~1996年にかけてのケース。

この時は多くのケースと同じように利上げの途中も株価は上昇を続けましたが、利下げに転じても一方的に上昇をつづけています。その後FFレートは高いまま維持されていますがその間もどんどんと上昇を続け、結局2000年のITバブルが弾けるタイミングまで上昇し続けています。

このパターンになると、利上げをしようがしまいがなるべく早く株に入れた方が良い、ということになりますね。

若干、昨今のFEDのhigher for longerという発言や、にわかに流行り始めているAIバブル(?)に似たようなものを感じます。

積立は淡々と、一括は半分様子見継続

こうして過去の事例を見ていくとほとんどのケースで利下げ後に株価の暴落とボトムがやってくるものの、稀な例外もあります。
確率的には、今年後半から来年までの間の暴落の可能性に備えて全力投球は控えて、一括投資はもう少し様子見したいと思います。

かといって1995年のケースになるともったいないので、私の場合は既に予定額の半分は株に入れてあるので、引き続き

  • 株の予算額の半分は株に入れておく。
  • 残り半分はMMFに置いておく

という方針でいきたいと思います。
MMFでも4.5%程度はあるので、仮に米株の平均利回りが7%としても半分以上はカバーされるので完全な機会損失とはならない予定です。

READ  利上げ停止後の株価の上昇と下落を分けるもの
MISA

MISA

第1子出産後、保育園に入れなかったため2011年から投資を開始。3児の母でワンオペ育児中。FXからスタートし徐々に時間を使わずにお金を生んでくれる資産の構築にシフト。インデックス投資、太陽光発電、海外不動産、国内不動産、個別債券、海外保険、FX。マイクロ法人運営。
保有資格:証券外務員1種、米国証券外務員、AFP、宅地建物取引士

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