日本のインフレ国化に備えて買うべき資産は何か

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最近の日本株の上昇に伴い、日本のインフレに対するコメントも多くなってきました。私も今回はもしかすると日本が万年デフレ国からインフレのある国へと変わる可能性があると思っています。これが起こるとすれば(もちろん不発に終わる可能性もありますが)大きなパラダムシフトなので、今どういった行動をとるべきかということを考えています。

具体的には

  1. レバレッジを活用して都内区分不動産を買う
  2. 日本株インデックスを買う(個別銘柄を研究する時間が現状取れないため)
  3. これまで通り世界株を買う

の選択肢の中から考えています。

都内区分不動産を買った場合

多くの不動産投資家さんが活用している楽待のサイトでシミュレーションをします。

都心3区の一つである中央区の築16年単身用区分マンションを表面利回り4.7%程度(現在の相場)で買うとします。

分かりやすくするために自己資金は0円でフルローン、入居率98%、家賃下落率は一番最低の0.1%とします。インフレのケースについて調べたいのですが上昇は選べませんでした。シミュレーション上、家賃が上昇ではなく(米国などは上昇しています)下落しか選べないというところに長年デフレ国であることを感じました。
前提条件については、実際のところ似たような物件では入居者の入れ替えもあまりなく、出たとしても少し家賃の値上げをしてもすぐに埋まる状況なので妥当ではないかと思っています。
その他の条件も実際に近いものにしています。

そのシミュレーション結果がこちら。

累計CFがー874万円なので、最初に自己資金を入れなくても30年かけて874万円相当の自己資金を投入したことと同じになります。以前と違い、現在の相場だとそれなりに自己資金を使うことになります。

売却価格は以下の前提で計算されています。

売却価格と売却時累計CFの考え方

<売却金額>
購入時の土地価格以上で売却すると仮定して、次のいずれか大きい方を選択。
・売却時の実質年間収入 ÷ 購入時の表面利回り
・購入時物件価格 - 購入時建物価格(=購入時土地価格)

<売却時累計CF>
累計CF+(売却金額 - 売却費用- 所得税等(法人税等)- 残存借入額)- 自己資金

出所:楽待HP

インフレ相当が物件価格の上昇幅だとしてどの程度上昇すると仮定するか、ですが一つの考え方として先日記事にしたビックマック指数でこの価格差がインフレで解消されたとした場合の41%(簡易的に40%)を使用します。

もう一つは日銀が目安としている2%の上昇がローン返済期間中の30年続くとした場合で、その時は累積で81%(簡易的に80%)の上昇になります。

自己資金を874万円とした時の自己資金に対するリターン(H)は40%の時に2.6倍、80%の時に3.7倍になります。レバレッジをかけるとやはり効率は上がってきそうですね。

日本株に投資した場合

これは同じ条件で、インフレ率と同じ分だけ上昇したとする場合には、レバレッジもないので単純に1.4倍、1.8倍になるということだと思います。

しかし、以前に2013年~2023年にかけて米国市場において不動産と株式に投資した場合の資産残高の増加を比較した記事を書きましたが、この時は
VTI(Vanguard Total Stock Market ETF):3.0倍
アメリカ住宅価格指数:2.0倍
で、レバレッジや節税等の観点を除けば、単純に資産残高の増加では株価の方が上昇率は高いという結果でした。

株の方が感応度は良いのかもしれません。
ただ米国企業の成長力を日本株に当てはめてよいのかは疑問の残るところです。

世界株インデックスに投資した場合

日本株の上昇に惑わされずに、基本に忠実に世界株インデックスへの投資を続けた場合ですが、7%が30年複利で続くとすると7.6倍。

不動産のケースでは30年と単純にローン期間と合わせただけなので、もしかするとそれほど長期に適温のインフレが続くというシナリオではなくて、今度は逆に急激なインフレが止まらなくなって困るというケースもあるのかもしれませんが、、、。仮に10年くらいでそうなるとしたら7%の複利でも1.9倍程度に下がって比較優位は落ちてしまいます。

まとめ

どれくらいの期間でどの程度インフレするのか(またはしないのか)、ということになりそうですが、これ以上予測しようとしても難しいように思います。

実際にシミュレーションしてみて現在の不動産の相場だと思ったよりも自己資金を使いそうということが分かりました。

総じて、今後も円安で円の減価が続く可能性も考えると、これまで通り世界株インデックスに入れておくのが安定的なように思います。インデックスを主軸に据えつつプラスアルファの工夫をする場合には、個人的には日本株よりも都心の土地の方に安心感を感じますので日本人であるメリットを生かして一部レバレッジで不動産を増やすのが良いかと思っています。

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MISA

MISA

第1子出産後、保育園に入れなかったため2011年から投資を開始。3児の母でワンオペ育児中。FXからスタートし徐々に時間を使わずにお金を生んでくれる資産の構築にシフト。インデックス投資、太陽光発電、海外不動産、国内不動産、個別債券、海外保険、FX。マイクロ法人運営。
保有資格:証券外務員1種、米国証券外務員、AFP、宅地建物取引士

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