超富裕層のポートフォリオの特徴

3 min

今朝bloombergを聞きながら家事をしていると、Knight Frankの出した「Wealth Populations」という超富裕層(Ultra-High-Net-Worth Individuals (UHNWIs))と呼ばれる、非常に大きな資産を保有している個人や家族を対象にした調査が話題になっていました。このUHNWIsは通常、純資産が3000万ドル以上(40億5000万円、1ドル135円換算)の人たちを対象としています。

Knight Frankによると2022年には世界のUHNWIsは3.8%減少したとのことです。原因は昨年のマーケットの大幅な下落ではありますが、彼らの「ポートフォリオの2/5が株と債券に割り振られていたため」としています。昨年は株も債券も同時に下落し、伝統的な株60対債券40のポートフォリオが機能しませんでした。セオリーとしては、本来的には株と債券は逆の動きをするのでそのリスクを相殺するための構成として60対40の構成は推奨されていました。昨年はそれが機能しない数少ない年でした。

出所:日経

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB131M40T10C22A9000000/

それにしても株と債券を合わせて2/5というのは、割合として少ないように思います。他の資産がのように割り振られているのか気になります。

超富裕層の平均的なポートフォリオは50%が不動産関連

Knigth Frankのホームページで関連した資料を見ていると彼らの平均的なポートフォリオが記載されていました。

特徴としては、まずはPrimary and secondary homes(自宅、別荘)が32%でトップに来ています。
この資料の構成が少しわかりにくいのですが、残った資産の中で投資可能なものをどのような構成にしているかをEquities(株)~Crypto assets(暗号資産)までにリストアップしているようです。(これらを足して100ちょっとになるので、数字の割合は自宅や別荘を除いたもの、一方で右の円グラフはPrimary and secondary homesの色が含まれているのでそれらを含めたものと理解しています)


自宅と別荘を除いた中での構成は以下の通りです。

  1. 株 26%
  2. 商業不動産の直接保有 21%
  3. 債券 17%
  4. プライベートエクイティ/ベンチャーキャピタル 9%
  5. ファンド形式での商業用不動産 8%
  6. その他 7%
  7. REIT形式での商業用不動産 5%
  8. アート、車、ワインなどの趣味の投資 5%
  9. 金 3%
  10. 暗号資産 2%
出所:Knight Frank ~The Wealth Report 2023~

どうでしょうか?
商業用不動産が直接保有、ファンド保有、REIT保有という形を変えて何度も出てきますね。合計で34%です。このKnight Frankという会社が不動産会社のためこのような細かい分け方をしているのかもしれませんが、商業用不動産の多さは一般的なポートフォリオと異なることは確かです。

また、大まかに全体を132%として捉えて100%換算した時に

自宅・別荘:24%
商業用不動産合計:26%

となり、全体の50%が不動産ということになります。

アートやワインなどの趣味の投資があるのも面白いですね。余裕があればこそできるものだと思います。

プライベートエクイティは一般ではなかなか投資機会がありませんが、ハーバード大学などの大学基金も実は多く投資しています。

ゴールドの保有もありますね。私は現在のところ保有していないのですが、分散の目的で同じく3%程度のイメージで保有してもいいのかなと考えています。

保有資産で各国のトップ1%に入るために必要な金額

ポートフォリオとは別に、Bloombergで取り上げられていたのはこちらの話題でした。

各国での1% clubと呼ばれる全体のトップ1%の富裕層に入るために必要となる金額の比較です。
1位のモナコは断トツですが、12.4百万ドル(16億7400万円)です。2位にスイスが来るのは分かりますが、3位と4位はオセアニアでオーストラリアとニュージーランドなんですね。比較的治安も良く住みやすそうなイメージはありますが、不動産に中国マネーが多く入ってきたためでしょうか。オーストラリアの投資家ビザ(投資の見返りに永住権を認める)申請者の90%は中国人富裕層のようです。
日本は13位で2億250万円でした。(全て1ドル135円換算)

  1. モナコ: 12.4百万ドル
  2. スイス :6.6百万ドル
  3. オーストラリア:5.5百万ドル
  4. ニュージーランド:5.2百万ドル
  5. 米国:5.1百万ドル
  6. アイルランド:4.3百万ドル
  7. シンガポール:3.5百万ドル
  8. フランス:3.5百万ドル
  9. 香港:3.4百万ドル
  10. 英国:3.3百万ドル
  11. イタリア:2.6百万ドル
  12. スペアイン:2.5百万ドル
  13. 日本:1.5百万ドル
出所:Knight Frank ~The Wealth Report 2023~

「Wealth Populations」

/https://content.knightfrank.com/resources/knightfrank.com/wealthreport/2023/the-wealth-report-wealth-populations-10198.pdf

「The Wealth Report 2023」

/https://content.knightfrank.com/resources/knightfrank.com/wealthreport/the-wealth-report—apr-2023.pdf

READ  利回り上昇で4%超、一時保管しながら資金を増やせるドル建てMMFを選ぶならどの商品が良いか
MISA

MISA

第1子出産後、保育園に入れなかったため2011年から投資を開始。3児の母でワンオペ育児中。FXからスタートし徐々に時間を使わずにお金を生んでくれる資産の構築にシフト。インデックス投資、太陽光発電、海外不動産、国内不動産、個別債券、海外保険、FX。マイクロ法人運営。
保有資格:証券外務員1種、米国証券外務員、AFP、宅地建物取引士

FOLLOW

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です