円安時のドル建て資産入れ替えは税金に注意

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今日は、先日資産の入れ替え時に想定していなかった税金が発生したのでその件について書きたいと思います。

MMFの一部を売って株に入替え

私はここ最近まで株に一括投資予定だった金額の約半分をドル建てMMFにおいていました。
理由はこちらの記事に記載しましたが、これまでの株式市場を振り返ると、株価が崩れてボトムを打つのはほとんどのケースでFedが利下げに入ってからだったためです。

現在ほぼFedの利上げも終盤ですが、今後はhiger for longer、より長い期間で金利が高止まりすることが予想されています。
どれくらいの期間高止まりするのか、いつから利下げに入るのかは分かりませんが、過去の経験則に当てはめれば、来年以降が株価下落が訪れやすい時期といえます。

しかし現状を見ると、以下の記事中でのイエレン長官の発言にもあるように、米経済は強いままで証券会社予想のリセッション確率は下がってきています。

イエレン長官、景気悪化の兆候ない
「イエレン氏はCNBCとのインタビューで「景気の悪化リスクを示す兆候は一切見られない」と述べた。労働市場は幾分軟化しているものの依然として「健全な」状態にあり、鉱工業生産は拡大し、「インフレ率は低下している」と指摘した。」

ゴールドマン、米リセッション確率15%に引き下げ-インフレ改善で
「ゴールドマン・サックス・グループは、米国がリセッション(景気後退)に陥る確率を15%とし、従来予想の20%から引き下げた。インフレ鈍化や労働市場が依然強靱(きょうじん)であることは、米金融当局がこれ以上利上げする必要がない可能性を示唆していると指摘した。」

そのため、MMFで待機させていた資金の半分は売却して株に変えることにしました。
もし来年以降に大きな下落が来れば、償還予定の債券や新たな収入で対応すれば良いと考えています。

円転しなくても為替差益が発生したとして課税される

この時、ドル建てMMFを売却して、そのままドル建てのETFを購入したので円転していません。MMFはほとんど価格が変わらないので売却益も出ていませんが、MMF購入時から売却時までの為替が10円ほど円安に進んでいたので、明細を見るとこの分の為替差益が発生したと見なされ課税されていました。

円転していないのに税金が取られるというのは何とも嫌な感じです…。
もちろんこの時の取得レートは10円円安に行っているレートなので、今回のETFの取得為替レートはその分円安のレートに更新されています。
次回円高に行った時に売却して為替差損が発生し、かつその時に他の商品の売却益があれば相殺することができますが、円高になったからと言って税金が帰ってくる訳ではありません。

新NISA移行時に多発するのでは

海外の証券会社ならばドルのままだったりしないかと思いましたが、当然ですが、どこも同じようですね。

例えばサクソバンク証券でも以下のように記載されています。
「外国の取引所で売買された株式やETFの有価証券に関する税の取扱いは、日本国内にお住まいであれば、基本的に国内株式と同様の取扱いとなりますが、為替の差損益も含めて計算されることや配当控除がないこと、外国税額控除の適用を受けることができるなど、国内株式と異なる場合もありますのでご注意ください。」

また、海外の証券会社はNISAやiDeCoの取り扱いがないことが多いのでこの点で不便かと思います。

円安が進んでいる時にはドル建て商品であっても売却時の為替レートに注意が必要ですね。

特に2024年に新NISAが始まるに当たって、それまで特定口座や現行NISAで保有していた商品を一旦売却して恒久化された新NISA口座に移すという動きが活発化すると予想されます。この際にドル建て商品の場合は価格がほとんど変わっていなくてもドル円が円安に動いていると課税され、新NISAでの購入に充てられる金額が目減りするというケースが多発しそうですね。

*追記:SBI証券に問い合わせたところ、保有中の売却のみならず、外貨建て債券を満期保有して償還された場合にも購入時よりも円安に動いていた場合は、ドルで受け取っていても為替差益が発生したとして課税されるようです。

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MISA

MISA

第1子出産後、保育園に入れなかったため2011年から投資を開始。3児の母でワンオペ育児中。FXからスタートし徐々に時間を使わずにお金を生んでくれる資産の構築にシフト。インデックス投資、太陽光発電、海外不動産、国内不動産、個別債券、海外保険、FX。マイクロ法人運営。
保有資格:証券外務員1種、米国証券外務員、AFP、宅地建物取引士

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