投資で130万円の壁を気にせず所得を増やす方法

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まだお子さんが小さくフルタイムで勤務することは難しい、けれども自分の収入が欲しい・家計に貢献したいので投資をしている(したい)という方は多いのではないでしょうか。

その時にある一定の金額以上になると気になってくるのが130万円の壁です。

今日はこれを気にせず投資で資産を増やす方法について解説したいと思います。

この記事で分かること
  • 「特定口座の源泉徴収あり」を選ぶことで金融商品のからの所得(配当・利子・譲渡益)を扶養の計算上の収入から外し、上限を気にせず増やすことができる
  • ただし、「源泉徴収あり」にすると赤字や繰り越し損失を他の特定口座との損益通算ができないため、金融商品取引はまとめて一つの口座で行った方が良い
  • 個人で不動産投資も行っている場合は家賃については満額収入計上されるため要注意

扶養で節約できる社会保険料は35万円~

配偶者が会社員や公務員で第2号被保険者の場合は、その夫/妻は一定の条件を満たせば第3号被保険者(専業主婦・主夫)となり、夫婦のどちらか一方は相手方の扶養に入っていることになります。

その場合は、国民年金保険料と健康保険料(含 介護保険料)の納付が免除されます。

出所:楽天生命

投資に絞って考えると、法人設立して給与を自分に支給し始めるようになる段階までは、資本を蓄積することは重要なので、配偶者がいる場合は扶養に入って社会保障費を節約することは一つの節約手段としてありだと思います。

扶養に入ることで節約できる金額イメージ

ここで扶養に入ることでどれくらいの金額が節約できるのかイメージを持ちたいと思います。

  • 国民年金保険料:16590円×12か月=199,080
  • 国民健康保険料(含 介護保険):
    仮に所得が100万円(収入では基礎控除48万円加算して148万円程度)とすると144,000円
    合計:343,080円

安くても約35万円程の社会保険料の支払いが不要となります。
国民年金保険料の方は定額ですが、国民健康保険料は収入が増えていけばそれに伴って支払い保険料も増えていきます。

参考例:東京都世田谷区の令和5年度国民健康保険料早見表

130万円の壁とは

被扶養者に認定されるためにはその年間収入額に要件があり、これがいわゆる「130万円の壁」となっています。

被扶養者になれる人の範囲

認定対象者の年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合は被扶養者となります。
出所:日本年金機構健康保険組合

130万円を大きく超えれば「仕方がない、もっと収入を増やせばいい」と割り切れますが、少し超えたくらいでは逆に損になることがあるので、収入をこの130万円の範囲で収めたいという方は多いですね。

すぐに超えてしまう130万円の基準

最近は金利が上がっているのでオンライン証券で買えるような外国債券でも米ドル建てで5%を超える金利のものがあります。(新興国通貨建てはもっと高いですが対象外と考えています)
また、アドバイザーに手数料を払うIFAコースではもっと高い金利のものもあったりします。

積極的に売買を繰り返さずに、高配当ファンドを購入して配当受け取ったり、個別債券から利子を受け取ったりといった安定的な投資でもある程度の金額で超えてしまいます。

2000万円 × 5% =100万円

また、不動産投資を行っている場合には、都内の区分マンションを一つでも持っていると家賃収入ですぐに超えてしまいそうです。所得ではなく収入なので減価償却費や管理委託費等を控除する前なので金額として大きくなりがちです。

8万円 × 12 = 96万円

なにより株の売買を行った場合の譲渡益になるともっと簡単に超えてきそうですね。

所得が20万円以上あれば確定申告が必要になりますし、損失を繰り越したい場合も含めて投資を行っていれば確定申告を行っているケースも多いでしょう。

健康保険組合としては扶養対象者に該当するかどうかの確認が毎年必要なので、会社員の場合は年末調整の際に配偶者の収入を記載したり、加入している健康保険組合から被扶養者の収入確認の書面提出が求められたりします。

この時にこれら確定申告書やそれに基づく(非)課税証明書が求められます

そうすると、投資をやっているとどうしても扶養からは外れてしまうのでしょうか。

「源泉徴収あり」にして確定申告から外すことで上限がなくなる

「特定口座の源泉徴収あり」を選んでいれば課税は完了していることは分かりますが、確定申告書には所得として記載する必要があるのか、さらには税としては支払いをしている訳なので課税証明書には記載されるのか、という点で変わってきます。

国税庁に聞くのが一番確実なので相談センターに問い合わせたところ、以下のような回答でした。

源泉徴収ありの特定口座に関する国税庁の回答
  • 債券の利子所得・株の配当所得・両者の譲渡所得については、特定口座の源泉徴収ありを選択していればそこで課税は完了しているので確定申告書に改めて記載の必要はない
  • この「源泉徴収あり」を選択した特定口座の利子所得・配当所得・譲渡所得の金額は、所得として申告しないということなので課税証明書・所得証明書には記載されない
  • 特定口座でも「申告をする」を選択した場合には確定申告を行うため、課税証明書・所得証明書にその金額も記載もされることになる。
  • 特定口座で他の特定口座の赤字や過去の繰り越し損失と相殺したい場合は源泉徴収ではなく、確定申告する必要がある

つまり金融商品である株や債券からの所得であればいくらでも気にせず増やせることになります。

その際に、確定申告に含めないためには証券会社の「特定口座で源泉徴収あり」を選んでおくことが重要になります。また、他の特定口座との赤字との相殺が発生しないように、できれば一つの証券会社でまとめて管理したいところですね。

また、不動産所得についてはこの限りではなく、確定申告書にも記載の必要がありますので不動産投資とハイブリッドでやっている場合には注意が必要でしょう。

追記:外国税額控除について

SBI証券の外国税額控除のページを見ていたら気になる説明を見つけました。
「外国税額控除を受けるためには、当該配当金を、総合課税または申告分離課税を選択して確定申告をした場合に限られます」

より正確に事実を把握するために再度、国税局電話相談センターに電話して国税局職員の方に確認しました。


「源泉徴収ありの特定口座でも利子・配当・譲渡益等を抜き出して申告書に記載することができるので、外国税額控除を受けるためにはそれらを確定申告書に含めなければならない

ということでした。
ドル建てのETFや債券などはこれに該当してしまいますので、源泉徴収で課税を終えて確定申告書に含めないという形をとりたい場合は、二重課税が自動調整される投資信託か東証ETFを選ぶ必要があるということになりますね。

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MISA

MISA

第1子出産後、保育園に入れなかったため2011年から投資を開始。3児の母でワンオペ育児中。FXからスタートし徐々に時間を使わずにお金を生んでくれる資産の構築にシフト。インデックス投資、太陽光発電、海外不動産、国内不動産、個別債券、海外保険、FX。マイクロ法人運営。
保有資格:証券外務員1種、米国証券外務員、AFP、宅地建物取引士

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