老後の生活費は年金で賄えるか?

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人生100年と言われ、長生きリスクという言葉がある時代に、会社を退職した後の生活について考えてみたことのある人、あるいは漠然とした不安のある人は多いと思います。テレビでも街角インタビューで「今の年金額はいくらですか?」「いくらもらえると思いますか?」として聞いているものも見かけます。

現在の日本では年金受給世帯の収支がどうなっているか、老後に必要なお金はいくらくらいで、そのうちのどの程度が年金で賄えているのか、見ていきたいと思います。

平均的な年金受給額は男性16万円、女性10万円

厚生労働省年金局が昨年12月に発表した「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険に加入している方の年金受給額は男性16万円、女性10万円が平均のようです。男女間で差がかなりありますね。男女雇用機会均等法が成立したのが昭和60年(1985年)で約38年前ですから、現在の年金受給者で70歳の方は当時32歳、80歳の方は当時42歳です。現在の年金受給者の方たちが働き盛りだった時代には社会的な男女間格差が今よりもさらに大きかったでしょうから、当然といえばの結果ではありますが、女性としては少し悔しいですね。不利な条件で働いていた女性もいるでしょうし、家事育児(+介護)を一手に引きうけていた女性も多いと思いますが、金銭的には評価されないですからね、、、。最近は共働きの家庭も増えていますから今後は少しずつこの格差は縮まっていくでしょう。

出所:くらしとお金の金融メディアLIMO

注意点としては、こちらは厚生年金保険に加入している会社員や公務員の方が対象なので、自営業や主婦の方はこのうち国民年金部分のみになります。満額の場合2022年度の国民年金給付額は777,800円で、月額にすると64,816円になります。男性の場合は10万円、女性の場合は4万円それぞれ厚生年金の方よりも少なくなってきます。また、この金額は満額の場合ですので、保険料免除期間等があると少なくなります。

老後の最低限の生活費

単身世帯は15万円

総務省家計調査によると、単身世帯の最低限の生活費としての平均支出は約15万円程度です。会社勤め、または公務員であった方で厚生年金がある男性であれば年金の16万円で何とか賄える額です。これは少し安心ですね。
ですが、女性単身世帯の場合は厚生年金でも月額10万円では足りなくなってしまいます。

参照:総務省 家計調査報告(家計収支編)2021年(令和3年)平均結果の概要

夫婦二人世帯は23.2万円

生命保険文化センターが行った調査によると、夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考える最低日常生活費は月額で平均23.2万円となっています。支出内訳のイメージは以下のようです。(少し数字がずれますが、交際費等が含まれるその他支出を除いて考えると同じくらいでしょう。)

気になるのは、住居費が16,498円のみなこと。ローン返済を終えた持ち家であれば修繕費のみとしてこの金額で賄えるかもしれませんが、賃貸の場合はもっと高くなるでしょう。

出所:マニュライフ生  注記:その他の支出は諸雑費、交際費、仕送り金、他の世帯への贈答品など

夫婦二人で厚生年金があった場合は年金額は16万円+10万円=26万円で、こちらもぎりぎり賄える金額になります。

一方、同じく生命保険文化センターの調査では、ゆとりある老後生活を送るための費用として、最低日常生活費以外に必要と考える金額は平均14.8万円となっています。追加的な費用の1位は「旅行やレジャー」で、次いで「日常生活費の充実」、「趣味や教養」と続きます。合計すると「ゆとりある」とする水準での老後生活費は平均37.9万円だそうです。

10万円ほど追加の収入があると安心

国民年金のみの場合は月額と64,816円に加えて10万円の追加収入があると約16万円になりますので単身世帯の必要最低限の費用が賄えるようになります。

また、厚生年金の場合も26万円の年金収入に追加で10万円があれば月額36万円となり、ゆとりのある老後の水準である37万円に近いのでより老後を楽しめるようになりそうです。

月に10万円の追加収入を目指して資産形成を行っていくのは一つの目標として良さそうです。

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MISA

MISA

第1子出産後、保育園に入れなかったため2011年から投資を開始。3児の母でワンオペ育児中。FXからスタートし徐々に時間を使わずにお金を生んでくれる資産の構築にシフト。インデックス投資、太陽光発電、海外不動産、国内不動産、個別債券、海外保険、FX。マイクロ法人運営。
保有資格:証券外務員1種、米国証券外務員、AFP、宅地建物取引士

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