2023年世界の裕福な都市ランキング東京が2位

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4月18日に、投資による移住や国籍の獲得に関するコンサルティングサービスを提供しているヘンレー・アンド・パートナーズ(Henley & Partners)という会社が「2023年世界で最も裕福な都市トップ10(The Top 10 Wealthiest Cities in the World in 2023)」という調査結果をリリースしました。

この調査で東京が2位にランクインしたということがニュースになりました。

https://www.henleyglobal.com/publications/wealthiest-cities/global-insights/top-10-wealthiest-cities-world-2023

ビリオネアの数で見ると東京は23位

日本にはそれほど富裕層は多くないというイメージでしたので、世界の他の大都市を抑えて2位にランクインするというのは意外でした。
トップ3は

1位:ニューヨーク 340,000人
2位:東京 290,300人
3位:ベイエリア 285,000人


という順番だったようです。
ニューヨークとベイエリアについてはその通りだろうと思いますね。
東京が健闘していて意外な印象だった理由はこれがミリオネア(100万ドル、1億3500万円以上の資産を持つ人)の数によるランキングだったためでした。世界のお金持ちのイメージであるビリオネア(10億ドル、1350億円以上の資産を持つ人)の数になると東京は14人に減ってしまって一気に23位まで後退してしまいます。
ビリオネアが多い都市の順番は、
ベイエリア、ニューヨーク、北京、ロサンゼルス、上海、、と続きトップ5はアメリカと中国の都市です。これはイメージ通りですね。


東京でミリオネアは多いがビリオネアは少ないというのは、考え方によっては特定の人に富が集中せずに広く社会に分配されているということになり、それは良いことでもありますし、結果として治安の安定にもつながります。教育水準も平均して高く保てます。格差が少ない社会という意味ではそれはそれで良いことだと思いますし、こういったランキングでまだ2位に入るということは日本人としては誇りに思ってよいことだと思います。

ミリオネアの数が減少している数少ない都市でもある

一方で、別の観点から見ると気になる点もあります。

下表がミリオネアの数でのランキングですが、3列目にミリオネアの数の2012年から2022年にかけての増加率の棒グラフがあります。ほとんどの都市のバーが右側に伸びて上昇している中で、東京はわずかに減少(バーが左側に伸びている)しています、、、!

出所:Henley & Partners HP

この間に株価の上昇率が他国より高かったアメリカや、新興国から経済大国へ進化してきた中国の都市でのミリオネア数が増加しているのは当然だと思いますが、ドイツのフランクフルトや韓国のソウルなどの他の先進国も上昇しています。オーストラリアは鉄鉱石や石炭などの豊富な鉱物資源を、経済成長で需要が増加した中国企業に輸出してきたので、この間の中国の経済発展の好影響があるでしょう。

この表に載せられた17位までの都市で減少しているのは東京、ロンドン、香港の3都市だけです。香港は中国政府の影響力拡大に反対する民主化デモ以降、シンガポールに移住している人も多いようです。ロンドンも2016年の国民投票で決定されたブレグジットの影響があるでしょう。2021年時点の調査で、英国金融サービス業者の約43%(222社のうち95社)が、事業や従業員をEU側に移転した、もしくは移転する予定とされており、金融センターとして位置づけが低下しました。
*出所:JETRO 「今なお続く英金融のEU流出、ダブリンが移転先トップに」
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/03/afdee7cb3ffdc505.html

日本はこの間にアベノミクスで金融緩和を行っていたので富裕層の数は増えていると思いますが、海外への移住者もそれほど多い印象はないですし、東京の減少の理由ははっきりとは分かりませんでした。

何よりも、経済成長することにより富が生まれそれが適切に分配されないことにより格差が生じます。分配で格差拡大を緩和するというのは大きなテーマですが、前提として経済成長しなければ分配する富も生まれないので格差も大きくなりません。格差が大きいということはそれだけ経済成長していることの証でもあり、その点では羨ましくもあります。

この辺りを見ると、金融緩和にいつまでも頼るのではなく、日本経済にはもう少し経済成長して欲しいところです。

MISA

MISA

第1子出産後、保育園に入れなかったため2011年から投資を開始。3児の母でワンオペ育児中。FXからスタートし徐々に時間を使わずにお金を生んでくれる資産の構築にシフト。インデックス投資、太陽光発電、海外不動産、国内不動産、個別債券、海外保険、FX。マイクロ法人運営。
保有資格:証券外務員1種、米国証券外務員、AFP、宅地建物取引士

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